Flowers for Algernon (邦題:アルジャーノンに花束を):洋書の読書 あらすじと感想

テレビドラマにもなった作品です

何年か前にユースケ・サンタマリアと菅野美穂のキャストでドラマ化されたので、ご存知の方は多いでしょう。
日本で製作したテレビドラマは、原作とは大分違うみたいですけどね。

Flowers For Algernon

あらすじ

知的障害を持つチャーリー。
ある日、彼は頭をよくする手術を受けないかと大学教授に誘われる。
アルジャーノンというネズミが既に手術を施され、天才的な能力を発揮していた。
その成功を受けて、人間に試してみたいと教授は考えたのだ。

チャーリーはこの申し出を受け入れる。
他の人と同じように賢くなりたい。
ずっと彼は思っていた。

最初は自分の変化になかなか気づかないチャーリー。
時間がたつにつれ、徐々に自分の能力が向上していくことを認識し始める。
そして、ついにはIQ 185の天才になった。

しかし、チャーリーが賢くなっていくにつれて、問題も起こってきた。
チャーリーはパン屋で共に働く人たちを、友達だと思っていた。
実は彼らはチャーリーをからかっていただけだとわかったのだ。
そして、チャーリーを捨てた家族のことも次第に理解していく。

やがてアルジャーノンに変化がおきた。
アルジャーノンは以前のように、能力をコンスタントに発揮することが出来なくなったのだ。
変化の原因の調査を続けたチャーリーは、彼の受けた手術の大きな欠陥を発見する。

感想とか

amazon.co.jp をみると、いろいろな視点で書評が書かれているのがわかります。
考えるポイントがたくさんある作品ということなのでしょうね。
私自身もいろいろ考えさせられました。

・知性と幸福
知性を得ることは単純に幸福なのか?
賢くなることにより、今まで見なくてすんでいた人間の嫌な部分を見ることになったチャーリー。
幸せになりたくて手術を受けたのに満たされない。
矛盾を抱えたチャーリーの苦悩から、様々なことを考えされられます。

・親の子供に対する愛情とエゴ
チャーリーのちょっと困った母親が、自分の母親と似とよく似ています。
彼らの親子関係に必要以上に感情移入してしまいました。
その意味で、他の人と心を動かされるポイントが違うような気がします。
昔の嫌なこととか思い出して、イヤ~な感じでした。

・突然大人になることへの戸惑い
手術前まで知的障害者として子供に近い存在だったチャーリー。
手術によって知性を得ることで、大人としての感覚を見につけた彼は大きな戸惑いを覚えます。
特に、30代になって突然異性を意識し始める様子は興味深かったです。

・知性を失うことの恐怖
天才と呼ばれるレベルにまで賢くなったチャーリーは、自分の知性が永遠でないことを自分自身で発見してしまいます。
今日理解できたことが明日理解できなくなるかもしれない。
今日覚えていることを明日忘れてしまうかもしれない。
そして最終的には、知的障害者のレベルにまでなってしまう。
これは相当な恐怖でしょう。
ただ、アルツハイマーなどの病気にかかれば現実的に起こる話でもありそうです。

・知的障害を持っている頃のチャーリーの文章は不自然?
チャーリーが教授に提出する報告文章を掲載するという形で、物語は進んでいきます。
しかし、これに、ちょっと違和感を感じました。
というのも、チャーリーの書く文章がかなり高度だからです。
知的障害者だからと言うことで、単語のスペルミスや文法の間違いはかなり多いのです。
しかし、文章自体かなりしっかりしたものです。
書いている文章のレベルの高さと、チャーリーの行動の幼稚さにちょっと違和感を感じました。

・翻訳の難しさ
チャーリーが書いた間違いだらけの英語を日本語にするのは、相当難しい作業だった思います。
チャーリーの間違いを、日本語としてどのように再現するか。
翻訳家は相当苦労されたことと思います。
日本語訳も少しだけ読んでみましたが、やっぱり難しかったのでしょうね。
原書とはちょっと雰囲気が違うなあという印象でした。


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