ノーベル文学賞作家 読みやすい英語と読みにくい日本語
別のページの中で、「老人と海」をご紹介しました。
外国人の目から見ると、多少単語が難しいと感じる部分はあるものの、おおむね読みやすいというのがその印象です。
ところで、「老人と海」の作者といえばヘミングウェイ。
ヘミングウェイといえばノーベル文学賞の受賞者です。
日本人のノーベル賞作家
日本人のノーベル文学賞受賞者といえば、川端康成・大江健三郎の二人。
このなかで、大江健三郎の文章は読みにくさに定評があります。
で、実際本屋に言って大江健三郎の書く文章はどの程度読みにくいのか確認してみることにしました。
いや~、読みにくいです。
一回目を通しただけだと、何を言っているかわかりません。
正直。
分析的に読んでいかないと、正確に読み取ることは出来ないと思います。
すらすら読める人は、すごいです。
例えば、こんな雰囲気の文章です。↓
何が読みにくいかというと、読点(、)で文章を延々とつないでいくので、一つの文章の中にいろいろな内容が盛り込まれ、挙句の果てには書いている途中に何についての文章かわからなくなり、結局何の文だったのと感じることに、さらには形而上などの抽象的な単語も多く使われるので、ストーリーを読む途中でパニックに陥り、しかしながら、読点(、)の代わりに句点(、)に変えるだけでだいぶ読みなすくなるに違いないといえなくも無い。
(イメージ)
これ、書くのもしんどいですね。
中には、一行で納まる文章もあるので、意識的に長い文を使っているのだとは思います。
まあ、小説は芸術表現という側面もあるので、それを優先しているということで納得しておきましょう。
新聞や電気気の取扱説明書など、小説以外の文章であんなふうな書き方をされたら激怒するに違いないとは思いますが。
ということで、ヘミングウェイと大江健三郎、文体としては対極的な二人という感じです。
どちらが読みやすい
さて、英語で書かれたヘミングウェイの文章と、日本語で書かれた大江健三郎の文章、私たちにはどちらが読みやすいでしょう?
正直、私は英語で書かれたヘミングウェイの文章の方がはるかに読みやすいように感じます。
それに、「日本語で大江健三郎」を読んだというより「英語でヘミングウェイ」を読んだという方がすごいことをしたような気もしますし。
はったりとして使うには、有効な小技かと。
「ヘミングウェイの原書を読んだ」といった上に、ウィキペディア程度の知識を披露すれば、知的に見えること間違い無しです。
実際は「日本語で大江健三郎」を読める事の方が、すごいことなのだと思いますが。
さらに、大江健三郎の本が外国に翻訳されているという事実がすごいです。
根性あるなぁ。
翻訳者。
読むだけでも、私には無理。