英語の単語はどうやって覚える?
主な手法は大きく分けて三つでしょうか
今回は、単語をどうやって覚えるかという問題です。
この話は、議論があるところだと思います。
正直、私自身どのようにするのがいいのか未だによくわかりません。
ご参考ていどにお読みください。
英語学習で最も気になるポイントの一つが「単語をどうやって覚えるか」ということではないでしょうか?
実は、この単語を覚えると言う作業、いくつかの流儀があるようです。
私の知る限り、主に次の三つの方法があるようです。
・覚えるな 自然に身に付くまで読め
・とにかく早い段階に訳語を覚えてしまえ
・英英辞典でマメに調べましょう
それでは、それぞれの手法を見てみましょう。
覚えるな 自然に身に付くまで読め
洋書の多読を推薦している人の一部でこのような考えの人がいらっしゃるようです。
とにかくたくさん本を読むことで、自然と知っている単語が増えていく。
なぜなら、文脈から自然と単語の意味を類推できるから、だんだんわかってくるのだという考え方が基本みたいです。
現在の私達が日本語の単語を覚えるのと同じプロセスですね。
一見説得力がありそうです。
ただ、この方法、ちっと問題点がありそうな気もします。
まず、最初に知っている単語があまりに少ないと、簡単な本も読めないという点です。
ペーパーバックの最も簡単なものは基本の200語くらいで書かれているようです。
と言うことは、最低その程度の単語は知っていないと何も読めないということに成ります。
少なくとも最低限の単語は知っていろということなのでしょうか?
まあ、これは揚げ足取りに近い議論だとは思いますが、一応ね。
次に、気になるのが、発音の問題です。
英語は綴りと発音が完全に一致しない言語です。
ただ洋書を読むだけでは、どのように発音したらいい正確にはわかりません。
特に、外来語は綴りと発音が全然違うことがあるように感じます。
例えば、 silhouette を見ただけで、シルエットとわかる人がどれだけいるでしょうか?
イタリア料理なども、綴りと発音の不一致でわかりにくい気がします。
一部には、多読で発音も勝手に身に付くなどといっている人もいるようですが…。
もう一つ気になるのが、効率の問題です。
類推で単語を覚えていくというのは、ひどく効率が悪い方法のように思えてなりません。
そもそも、文脈から100%類推できるわけでもありませんよね。
仮に類推できたとしても、類推した意味が正確かどうかもよくわかりません。
同じ単語で複数回類推して徐々に正確な意味に近づいていくというプロセスをとらないといけないのかなぁという気がします。
また、類推で正確なイメージにたどり着きにくいケースもあると思います。
例えば、 dog という単語を知らなかったとしてます。
読書の中でそれが動物の一種だという所まではいけると思うんですよ。
そして、 dog というのが「四本足だ」とか「哺乳動物だ」とか「人間に飼われることがあるようだ」とかいう感じでイメージを固めていきます。
でも、それが日本語の「犬」とい同じものだというところにたどり着くには結構な手間がかかりそうですよね。
多読を通して英単語を理解していくためには、いったいどのくらい読まないといけないのでしょうか?
ちょっと想像つきにくいですね。
ゴールをどこに置くかにも寄りますが。
かなりたくさん読まなければいけないことだけは間違いないでしょうね。
ネイティブと同じプロセスで覚えているわけですから、ネイティブと同程度には読まないと追いつけません。
上級者が多読の中で単語を覚えていくというのは正しいと思うんですけどね。
最初からこの方法というのはちょっとお薦めしにくいです。
とにかく早い段階に訳語を覚えてしまえ
これが、最もポピュラーな方法でしょうか。
一般には中学に入るとすぐに、
this…これ
that…あれ
have…もつ
I…私
のように英語の訳語を覚えさせられます。
iKnow! での学習法も基本的にはこの方法だといっていいでしょうね。
この方法のいい点は、単語の訳語を最初に覚えてしまえば、読むことの出来る英語の本が増えるという点です。
ただ、「have…もつ」「get…得る」「go…行く」のような形で覚えてしまうことに対しては、少し問題があるといえるでしょう。
どの単語も日本語の意味と英語の意味が一対一で対応しないからです。
人によっては、「一つの単語に対して、辞書に載っているすべての意味を覚えましょう」などという人もいるようです。
この方法で行くと、 have という単語に対して22の意味を覚えないといけないようです。
英単語の日本語訳を覚えるという方法の最大の問題点が、類義語の意味の違いがわからないという点でしょう。
以前、「笑う」という単語にたくさんの表現があるよという内容の日記を書きました。
http://www.iknow.co.jp/user/towar/journal/2008/5/1/41896
この、日本語訳を覚えていくという方法だと、すべての単語を「笑う」という意味で覚えることになってしまいます。
当然、それぞれの単語が違ったニュアンスを持っているはずです。
でも、日本語訳を覚えるだけだと、それが伝えられなくなってしまうんですね。
もう一つ問題なのが、単語の日本語訳を覚えるだけでは、その単語がどのように使われるかがわからないという点です。
単語の意味だけ知っていても、実際の文中でどのように使われるかがわからないと、いけません。
例えば、動詞の場合、どのような前置詞と組み合わされて使われるかといったことは、単語の意味だけからではわかりませんよね。
上記の2つの問題を解決するためには、結局の所、英語の文章にたくさん触れる機会を作るしかないのかもしれません。
たくさんの英文を読むことで、単語のニュアンスの違いを理解していくわけです。
あるいは、文中でその単語がどのように使われるか理解していくのです。
実は、ネットですごい人を見たことがあります。
記憶があいまいな部分がありますが、次のような感じだったと思います。
まず、市販されている単語帳の英単語と最も重要な意味を覚えましょう。
次に、簡単な辞書の単語と一番目の訳語を全部覚えます。
さらに、中辞典レベルの辞書の単語と一番目の訳語を全部覚えます。
単語の使い方や類義語とのニュアンスの違いを押さえるために英語の本を読みます。
この方は、ありとあらゆる市販されている単語帳を買って、すべての単語と最初に書かれている定義を覚えたそうです。
そして、辞書の暗記も3冊はやったとか。
現在では、5万程度の語彙はあると書いてあった記憶があります。
すごいです。
が、まねしたいとは決して思いません。
英英辞典で調べましょう
大学の先生が薦める方法のようです。
「日本語訳を覚えるのではなく、とにかく単語の定義をしりましょう」というのがその主張です。
確かに、上にも書いたとおり、英単語を日本語訳で覚えてしまうのは問題があります。
日本語と英語の単語の意味は一対一で対応しないのです。
日本語と英語の不一致に頭を悩ますくらいなら、そもそも英語の定義で覚えてしまってはどうかということなのでしょう。
ただ、この方法も完全とはいえないような気がします。
例えば、先ほども出した dog という単語はある英英辞典では次のように定義されています
animal a common animal with four legs, fur, and a tail. Dogs are kept as pets or trained to guard places
http://pewebdic2.cw.idm.fr/
しかし上記のような定義で覚えるより「犬」という日本語訳で覚えた方がよっぽど早いし正確ですよね。
このほかにも、名詞の定義に関しては日本語と英語の定義に大きなずれが無いものも多いように思います。
特に、経済や科学などの専門的な単語は日本語と英語の意味がほとんど一致するといってもいいでしょう。
また、英単語を英英辞典の定義で理解していくのに時間がかかるという問題もありそうです。
以前、hadaさんに紹介していただいたサイトに、次のようなことが書かれていました。
単語の意味を覚えようとするにあたり、一番効果的なのは ─── 自国語での訳語が示される
http://eng.alc.co.jp/newsbiz/hinata/2007/03/post_348.html
ということで、効率という点では、英英辞典の意味を押えていくという方法は日本語訳を覚えていく方法より非効率だということです。
更にいうと、英英辞典の定義は理解するのが難しいです。
辞書のスペースのためもあるでしょうが、外国語学習者が簡単に理解できるような書き方はされていないように思います。
まあ、学習者用の英英辞典もありますし、工夫できる余地はあるとは思いますが。
私の方法
さて、上記のような議論を踏まえ、私がどのように単語を覚えているかというお話です。
私は出来るだけたくさんの英文に触れる中で自然に覚えて生きたいと考えています。
ただ、既に書いたとおり、多読だけで単語を理解していくのは効率的ではありません。
そこで、市販の単語帳を併用します。
具体的には下記のような感じです。
まず、市販の単語帳ですが、単語の発音と最初に載っている意味だけを読みます。
決して、無理に覚えませんし、例文などもみません。
ただ、読んでいきます。
平均的な1,000語程度のものだと、それほど時間がかからず最後まで読めます。
この作業を定期的に行います。(←嘘。思い出して時々やるが正確です。)
上記の作業とは別に英語の読書をします。
これはもう、何も考えずに普通の読書として楽しみます。
このとき、単語帳を読むプロセスでであった単語を見かけると、単語帳を読んだときのイメージが残っていて意味が類推しやすくなることがあります。
重要単語に出会う回数を増やして、記憶に定着しやすくする効果があるのかも。
基本的には、辞書は使いませんが、ごくまれに丁寧に辞書を引きながら、正確に文章を理解しようとすることもあります。
これは、特に単語を覚えるためにやっているわけではないのですけどね。
でも、このときに覚えたと思われる単語もあります。
また、繰り返し見る単語にもかかわらず、単語の意味が類推しにくいときなどにも、辞書は使います。
名詞の場合、特に意味が類推しにくいことが多そうです。
具体例を挙げましょう。
以前、 marble staircase という表現を何度か見かけていました。
「○○の階段」という意味だから marble は素材を表す単語だろいうというところまでは想像することができるのです。
でも、どんな素材かはなかなか想像しにくいですよね。
こんなときに、辞書を引いて marble が大理石という意味だと確認します。
この方法がいい方法なのかどうか自分でもよくわかりません。
ただ、すごい専門的な本や、読みにくい本は別にして、英語の文章を読むことがそれほど苦ではないというくらいの状態になることは出来ました。
しかし、比較的易しい本でも、知らない単語が結構あったりします。
自分の中でも判断付きにくいですね。
他に効率的な方法があるような気がしないでもないし…。
iKnow!の中のすごい人
類義語のニュアンスの違いを理解するのに、私はたくさん読んで違いをつかんでいくのがいいのではないかと考えています。
ただ、違ったもっと論理的なアプローチをする方もいらっしゃるようです。
★riexi3426 さん 単語のイメージを探る with MW’s School Thesaurus
これを読んだときに、衝撃を受けました。
たしかに、単語のニュアンスを理解するのに合理的な方法に違いないと。
ただ、凄過ぎて私にはまねは出来そうにありませんが。