英語を母語とするカナダ人、フランス語を母語とするカナダ人

カナダには、英語を母語とする人、フランス語を母語とする人、その他の言語を母語とする人がいます。このあたりの事情を簡単に見てみましょう。

英語を話す人もフランス語を話す人もいる

ご存知の方も多いと思いますが、カナダでは英語とフランス語が公用語に決められています。実際、母語として英語を話す人もフランス語を話す人もある程度の割合はいるようです。

これには、歴史的な経緯があります。英語を話す人がいるのは、カナダはイギリスの自治領だったから当然ですね。しかし、その昔には、現在のカナダとアメリカ合衆国の地域にはフランスの植民地もあったのです。

フランスとイギリスの戦争をし、イギリスが勝ちました。その結果として北米大陸はイギリス領となりました。この戦争を七年戦争とかフレンチ・インディアン戦争と言います。

その後、アメリカ合衆国が独立したので、現在のカナダにあたる地域の一部が、イギリスの自治領として残りました。その結果、英連邦に加盟するカナダという国が現在存在するというのが、大きな流れです。

もともとフランスの植民地でもあったので、イギリス領だったにも関わらずフランス語を話す人が残っているというのがポイントですね。

英語6割、仏語2割

ちなみに2006年国勢調査によると、第一言語の話者の割合は、以下の通りです。第一言語というのは、大体「母語」と同じ意味だと考えれば良いでしょう。

【カナダ】第一言語話者の割合

  • 英語:約58%
  • フランス語:約22%
  • その他:20%

英語フランス語以外を母語とする人の中で最も多いのは、中国語なのだそうです。103万人いて、広東語が多いようです。これは、上海が中国に返還されるときにカナダに渡った人でしょうね。

ということは、最近は普通話(中国語の標準語)を話す人が増えているのかもしれません。中国からカナダへの移民も多いと聞きますから。

その他には、イタリア語(45万人)、ドイツ語(44万人)の話者が多いようです。

英語も仏語も話せない人はどうしている?

また、英語かフランス語のどちらかが話せる人は、全体の約98%もいるようです。逆に言うと、
英語もフランス語も話さない層が、全体の2%ほどいるわけですね。

この人たちは、自分たちの小さいコミュニティの中でしか生きるのは難しそうですね。言葉が通じないとなると、できることも限られてきますし、情報も偏ります。

多くは移民の一世なのでしょうが、大変そうですね。

また、フランス語しか話さない人も大変そうです。カナダでは英語もフランス語も平等とは言え、英語を話す人が多数派という現実はやっぱりあります。

多数派と直接コミュニケーションを取れないのは、やっぱり不利な事でしょう。このためでしょうか、英語話者がフランス語を学習するのよりも、フランス語話者が英語を学習する方が熱心なのだそうです。

フランス語を話す人がまとまって暮らす地域がある

フランス語を第一言語とするカナダ人は、カナダ全土にいます。しかし、特に多い地域もあります。具体的には、ケベック州です。

もっとも、ケベック州では、フランス語を話せる人が大部分です。ということは、ケベック州に住んでいる限りは、フランス語しか話せなくても困らないのかもしれません。

何にしても、同じ国内に言葉が通じない同国人がかなりの割合いるという感覚は、日本人にはちょっと分かりづらいですね。

ケベックとは

もともとフランスの植民地だった時代にアメリカ大陸に渡ってきた人たちの子孫が生活するのがケベック州です。ケベック州にはカナダ第2の都市であるモントリオールがあります。

ちなみに、フランス語話者が多い地域と書いていますが、日本人の感覚だと地域と言うにはとんでもなく広いエリアです。というのも、ケベック州の陸地の面積は1,183,128平方キロメートルもあるのです。

こんなふうに数字を出しても分かりづらいでしょう。日本の3.1倍の土地と言えば、イメージがわくでしょうか。普通の国がいくつも入るような、とんでもなく広い地域なのです。もっとも、そのうちの多くは、人が住むのにあまり向いていませんけど。

ケベック州でフランス語を母語とする人の割合は、全体の78.1%にものぼります。1 また、州の公用語はフランス語です。2 つまり、英語よりもフランス語が当たり前の地域なのです。

母語話者の割合をグラフにすると、次のような感じですね。

母語話者(ケベック州) 2011


  1. 出展がウィキペディアなので、どの程度正確なのかは分かりませんが。 []
  2. 連邦の公用語は、英語とフランス語の2つです。 []


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