ケベック州とフランス語| フランス語憲章の話

ケベック州はフランス語を話す住民が多いことで知られています。フランス語を母語とする人の方が、英語を母語とする人よりも圧倒的に多いのです。

また、州の公用語がフランス語です。これは、単にお役所の仕事がフランス語で行われているだけではありません。焦点の看板などの、商業活動などで強制される部分もあるようです。

この政策は、率直に言って、ちょっと極端な気がします。実際、これに嫌気がさして逃げ出した人もいたようですね。

ケンタッキー・フライドチキンはフランス語ではPKF

ケベック州ラヴァルのケンタッキー・フライドチキン。フランス語ではPoulet Frit à la Kentucky、略してPFK。(ウィキペディアより)

カナダは英語もフランス語も公用語だが

カナダの公用語をご存知でしょうか。実はカナダは、英語もフランス語も公用語なのです。しかも、どちらの言語が上位という事は全くないという定めになっています。

上下関係が無いことは、カナダの国歌からも分かります。カナダの国歌には、英語版もフランス語版もあるのです。

イギリスの自治領だったカナダでフランス語が話されている不思議

カナダと言えば、カナダの建国前には、イギリスの植民地でした。植民地と言うより、自治領という言い方の方が正確でしょうか。

その上、現在では、英連邦にも参加しています。ということは、カナダの元首はイギリスと同じエリザベス女王です。

そんな国にもかかわらず、フランス語も英語と同列に扱っているわけですね。

確かにフランスの植民地だった時代もありますが、戦争に負けて完全にイギリスのものになっています。そんな負けた国の言語が残るって、かなり珍しい事でしょう。

まあ、歴史的な経緯をたどると、色々とあるのですけどね。アメリカの独立戦争で13植民地側に付かれないようにした影響だとか。

州の公用語が決まっている

ケベック州では、さらに驚くべき事情もあります。ケベック州では、フランス語憲章というもので州の公用語も決まっています。それがフランス語のみなのです。

つまりケベック州では、州の行政手続きは全部フランス語と言う事になります。しかも、それだけではありません。商業活動などで使う言語もフランス語と決まっているのです。

ケベック憲章の中身を、ウィキペディアから引用してみましょう。

  • 立法・行政・司法の手続き(訴訟や判決など)はフランス語で行われること
  • 学校教育(州政府直轄の義務教育)では子供はすべてフランス語系の学校で学ぶこと
  • 商工業などの経済活動では、書類にはフランス語を使うこと
  • 雇用主と従業員の会話や、企業内部での言語はフランス語に限定すること

上の2つは、まあ理解できるとして、気になるのは3つめ以降ですよね。経済活動に関する書類がフランス語と言うのは、外国企業には相当ハードルが高そうですね。

また、従業員との会話がフランス語というのも大変ですよね。これも企業進出を妨げているとしか思えません。

英語系の住民も追い出した

実は、この法律の弊害は、外部の企業が進出しづらいというだけではありませんでした。ケベックに住む英語系の住民も、ケベック州から逃げ出したのだとか。

ある意味、純化政策としては成功しているわけです。

現在は緩和されているようです

この極端な政策は、さすがに批判もあったようです。1985年以降、徐々に緩和されています。

例えば現在では、商業用広告の英仏両語による表記が認められているようです。まあ、そりゃそうですよね。

とは言え、いまだにフランス語優遇策を強化しようという人もいるようです。ケベック党という政党が、この政策を後押ししているようです。

このケベック党は、ケベック州の分離独立を目指している政党です。意外な事に、州の政権与党だった時代もあるようです。

ここでは深入りしませんが、ケベック州がカナダから独立しようという動きは今でもあるようです。最近はだいぶおとなしくなっているようですけどね。

いずれにしても、カナダの中の政治的に大きな不安定要因の一つといそうです。



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