最近、「大人になってから英語を学ぶのは苦労をするから、子供のうちに英語を勉強させる」というようなことを言う人を見かけます。この発言って、実は、「子供のうちに英語を学べば、簡単に英語が見につく」という考えがあることの裏返しでしょう。
子供のころに学べば、言語を学ぶのは簡単なことだという意識があるのでしょうね。自分が日本語を覚える時に、特に苦労はしなかったという意識があるのかもしれません。
子供のころにだけ勉強しても英語はできるようにならない
子供のころに勉強した方が有利かどうかという話は、今回は置いておきましょう。
子供のころの学習が有利という人もいれば、そういう証拠は無いという人もいます。大人の方が外国語学習に向いているという意見すらありますから。
一つだけいえるのは、子供のころにだけ勉強しても、語学は身につかないということです。
というのも、実用的に英語を使えるようになるには、かなりの語彙が必要です。例えば1万語覚える必要があるとして、日本にいながら小学生の間だけでそれだけの単語を覚えるのは難しいでしょう。特に、家庭では英語を使わないような環境では、絶対に身につきません。
しかも、子供のころには概念的に理解が難しい単語もあります。そういうものの習得は、子供のころの学習だけでは絶対に無理です。少なくとも、高校生とか大学生のレベルにならないと、身につかないでしょう。
使わないでいると忘れる
子供のころの学習だけでは不十分だというもう一つの理由は、言語は使わないと忘れるという点です。
例えば、小学校2年くらいまで英語を習った子供がいたとしましょう。その後英語を何も勉強しなかったとしたら、中学に入る前に英語はほとんど忘れてしまうでしょう。
子供は理屈で覚えるわけではないですからね。忘れるのは早そうな気がするんですよね。少なくとも、私の周りでは、いくつかそういう例は見ています。例えば、小学校のころに日本に帰ってきた帰国子女は、英語をほとんど忘れていたようでした。
成長過程での環境づくりが大切
こういう点を考えると、継続的に英語を使い続けることが必要なのは確実です。でも、そういう環境を用意するのって、結構大変なんですよね。
例えば、幼稚園レベルでイマージョン教育をしても、英語で映画やアニメを見られるレベルにはいけないでしょう。ということは、そういう娯楽的なコンテンツを見て英語力を維持するというわけにはいきません。
となると、英会話教室とか学習塾のようなものを使って、語学力の維持を考える必要があるでしょう。当然、相応のコストはかかります。それ以上に、ちょうど良いレベルの教室を探すのも大変ではないかと思います。
こうやって考えると、子供の英語教育もそれほど簡単ではない気がします。子供のうちから英語を学ぶことを否定はしませんが、大変なことも多そうだという事実は知っておいて損はないでしょう。
大人になってから身に付けた方が語学力の維持は楽だよ
一方で、大人になってから語学力を身につけた場合、ある程度のレベルで維持するのはそれほど難しいことではありません。実生活の中で英語を活用することが容易だからです。
例えば、英字新聞を読んでもいいですし、英語のニュースもネットで簡単に聞けますよね。もっと娯楽的なものがよければ、英語で小説を読んでもいいわけです。
子供が英語力を維持するのに比べれば、はるかに容易なのは間違いありません。
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