TOEIC 対策の研究をしている学者さんがいるようですね。
その人のインタビューが記事になっていました。
こういった記事は将来的に削除される可能性もあります。
参考になりそうなところを抜きだしてコメントしておきます。
ちなみに、東洋英和女学院大学教授の高橋基治という方のインタービューです。
長い記事なので、部分的な抜粋でもかなりの文字数になります。
そこで、以下のように分割し、リンクをしておきます。
初級者はどのように勉強すればよいですか。(1)
全体像を知らなければなりませんから、まずは公式問題集を使い、本番のように2時間で200問解いてみます。
恐らく最初は最後まで終わらないと思いますが、どの程度の問題の量があるのかを把握できますし、正答数から予想得点が出るので、自分の現在の実力、目標スコアとの差や弱点がわかります。
これをやらない人が意外に多いのですが、それでは走ったこともないのにマラソンのレースに出場するようなもの。
ちゃんと、一度完走してみることが大切です。
個人的には、試験対策で一番大事なのは過去問だと思っています。
これはTOEIC に限った話ではありません。
過去問をやりこむことが、資格試験でよい結果を残す近道です。
ただTOEICの場合、過去問は公開されていません。
そこで、過去問に近い問題集をやる必要があります。
過去問に最も近い問題集が、公式問題集です。
この問題集はTOEIC の問題製作者により作られています。
ですから、過去問を解いているのとほとんど同じ条件だと考えて良いでしょう。
ちなみに、既に何冊か出版されています。
基本的には一番新しいものを購入すれば良いでしょう。
ところで、記事の中では「一度完走してみる」事を進めています。
しかし、ハイスコアを目指す人は一度では不十分です。
ある程度レベルが上がったら何度も解いてみることをおすすめします。
最終的には、9割以上取れるようになるまで、繰り返し学習しましょう。
ただ、実力がない人がいきなりこの問題集で学習するのは非効率です。
ですから、他の問題集などをやって、ある程度力がついてからの方がいいでしょうけどね。
初級者はどのように勉強すればよいですか。(2)
――初級者はどのように勉強すればよいですか。
それから基礎を学びましょう。
多くの人は書籍を購入するのですが、買うだけでは本はスコアには貢献してくれません。
一番いけないのが購入するだけで安心し、少し問題を解くだけで満足してしまうこと。
これでは本を使いこなしていません。
本とどうかかわるかでスコアが伸びるのです。
テキストは文字の見やすさなどでなじむものを選べばいいと思いますが、初級者には文法が大事なので、TOEICに特化した中学レベルの文法の本をおすすめします。
私は初級者の方には「新TOEIC(R)テスト 中学英文法で600点!」というテキストを勧めていますね。
これを最低3回、問題を見たら解答がすぐわかるまで徹底して取り組みます。
記憶するくらい1冊を短期間に繰り返したほうがいいのです。
基礎がないまま公式問題集に取り組んでも、解説の意味がわからないので、ある程度で伸び悩んでしまいます。
マラソンでいえばまずはジョギングで基礎体力をつけるようなイメージです。
問題と解答を覚え、どのページを開いてもわかるようになれば、次の問題集に進むのです。
問題集を1回取り組んだだけでほかの情報が気になり違う教材を買い、それも数ページ解いただけでさらに違う教材を買う、ということをしがちですが、それでは教材にかけた時間とお金の無駄になります。
とりあえず、上の記事で紹介されている問題集の紹介から。
一冊の問題集に徹底的に取り組むというのは、とても大事な指摘だと思います。
中学レベルの文法から固めるというのも、大賛成です。
英文法が苦手な人は、基本的な前置詞やら冠詞の理解が不十分な事も少なくありません。
そして、これらの知識を身につけると、英語力は格段にアップするはずです。
そこから対策していくのは、とてもいいことでしょう。
ただ、上の指摘にはちょっと異論もあります。
まず、3回繰り返しただけでは、覚える事はできません。
少なくとも、私の経験からすると多くの人は無理だと思います。
また、「問題と解答を覚え、どのページを開いてもわかるようになれば、次の問題集に進むのです。」という記述もありましたが、ここまでやるのは非効率でしょう。
ここまでやりこむと飽きが着ますから、集中して取り組む事が難しくなります。
さらに言うと、95パーセントの問題が分かっている問題を100%にするのはとても大変な事です。
それだったら、新しい問題集に手を出すほうが効率的ではないかと感じます。
まあ、「どのページを開いてもわかるように」というのは比喩的な表現なのでしょうけどね。
90%から95程度で次の段階にすすみましょう。
公式問題集の使い方(1)
――ほかに教材の効果的な使い方はありますか。
おすすめは公式問題集を使いこなすことです。
解答を確認するだけでなく、出題の文章も書いてみましょう。
TOEICは使われるテーマがいつも似ているのでテーマも頭に入りますし、話の流れをつかむ力や語彙(ごい)力もつくなどさまざまな効果があります。
ポイントは、まず日本語で文の意味を理解しておき、それから文の構造を意識して書くこと。
これを何度も繰り返すことで、文章を自分のものにでき、語彙(ごい)力や文の構造を見抜く力がつきます。
英語を書き写すのは、優れた学習法だと思います。
はっきり言って、多くの人は嫌がってやりませんけど。
個人的には、上の説明に加え、ある程度英文を覚えてから書くことをおすすめします。
もとの英文を見ないで書き写すのです。
可能なら、1文ごとに覚える事をおすすめします。
それが無理な場合は、関係詞とか接続詞などの区切りごとに覚えて書きましょう。
なぜ覚えて書くのが良いかというと、文の構造を理解しないと英文は覚えられないからです。
しかも、分の単位で覚える事で、自分で英語を使うときの助けにもなります。
面倒な作業だとは思いますが、頑張って勉強すれば報われる方法だと思います。
公式問題集の使い方(2)
――ほかに教材の効果的な使い方はありますか。
そして音読です。
単語をまとまり(チャンク)でつかむことができ、文章を見たときにすぐに意味がわかるようになります。(中略)
自分で言うことができれば聞き取りは容易になります。
できれば音声テープと同じ速度で音読しましょう。
そのためには単語と単語のつながりを言えなければならないし、消える音は消さなければなりません。
TOEIC の公式問題集の使い方の続きの部分です。
音読をする事をすすめています。
ただ、これにはちょっと異論があります。
異論というか、注意点というべきでしょうか。
TOEIC の問題集ならどこを音読してもいいわけではありません。
よほどの実力者を別にすれば、音読するのは、音声が聞ける部分に限定した方がいいと思うのです。
具体的に言うと、リスニングパートのナレーションの部分を音読する事になります。
この部分に限定する理由は簡単です。
見本がない状態で音読すると、間違った発音や抑揚で英語を覚えてしまうからです。
要するに、音読する事が逆効果になる可能性があるのです。
時間をかけて勉強したのに、変な癖がついたのでは、もったいないですよね。
ちなみに、音読するときにはシャドーイングを取り入れてもいいかもしれません。
また、PART 1, 2 の部分に関しては、リピーティングもできます。
教材の選び方
――教材の選び方にはポイントがありますか。
公式問題集とTOEICに特化した教材がいいでしょう。
目指すスコアにもよりますが、600点を目指すなら問題を総括している塚田幸光先生の教材がおすすめです。(中略)
TOEICに関係のない教材を使ってもあまり効果はありません。
英字新聞の時事的な記事も、800点を超えるような人には有意義ですが、TOEICはあまり時事に関係する問題は出題されないので、試験対策としては必要ないでしょう。
記事の中で言及されている塚田幸光という方の著書は、かなりの数にのぼるようです。
個人的には、この方の教材に目を通した事はありません。
ですから、評価は控えます。
ただ、カスタマーレビューのレーティングを見ると、ほとんどが4点以上とそれなりに評価は高いようです。
まあ、最近はステマというのもありますから、どれほど当てになるのかは分かりませんけど。
少なくとも、極端に悪い評価をしている人は、少ないようですね。
後半の「TOEICに関係のない教材を使ってもあまり効果はありません。」という発言は、正直に言ってちょっと違和感があります。
もちろん、TOEIC のスコアをアップさせる事に限って「あまり効果がない」と言っているのだとは思います。
もしそうだとしても、ちょっと同意しかねます。
もちろん、TOEIC での得点アップを目指すのなら、TOEIC の教材を使うのがベストでしょう。
しかも自分のレベルから徐々にレベルアップできる教材だと、尚効果的だと思います。
だからと言って、他の教材にあまり効果が無いというのは、ちょっと言いすぎですよね。
例えば、洋書で小説を10冊読んだ人がいるとします。
この人のTOEIC のスコアは、当然ですがかなりアップするはずですよね。
TOEIC では小説的な文章は出てきません。
それでも、効果がないはずはないのです。
しかも、スコアアップはリーディングセクションにとどまりません。
リスニングセクションでも、スコアがアップする可能性が高いのです。
もちろん、同じ時間TOEIC の教材の学習に時間を使った方が、大きくスコアアップする可能性は高いはずです。
それでも、「あまり効果がない」という表現はいいすぎな気がします。
実力のない人は英字新聞を読んだり、英語の小説を読むのは、別の理由でおすすめしませんけどね。
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