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TOEIC 730点で完璧な通常会話は無理だろう

最近、語学の資格に関するニュースが多い。
新卒の採用に関するものが特に多いように思う。

時期的なものだろうか?

今回取り上げるニュースは武田薬品の新卒採用に関するもの。
新卒全員にTOEIC 730点以上を求めるのだとか。

■新卒採用、TOEICは730点以上…武田薬品
http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20110122-OYT1T00931.htm

採用基準自体は勝手に決めてくれという感じだ。
各社が英語能力を問おうが問うまいが、それ自体には特に異論は無い。
社員にどんなスキルを求めるかは会社次第なのだから。
製薬会社なら、英語論文や英語ニュースを読める必要性もあるだろうし。

730点で通常会話が理解できる?そんな馬鹿な

個人的に気になったのは、記事の次の部分である。

730点以上は「通常会話は完全に理解できる」水準とされ、得点者は受験者の1割強にとどまっている。

後半部分の受験者の1割というのは正しいのだろう。
TOEIC 730点が日本人の中では結構出来る方だというのは否定しない。
しかし、前半の「通常会話は完全に理解できる」は嘘だと言わざるを得ない。
730点程度で通常の会話が完全に理解できるはずがない。

もちろん、何を以って「通常の会話」と呼ぶのかというには議論があるところだろう。
日常の挨拶も通常の会話なら、株価や政治の話も通常の会話である。
スポーツや芸能の話題だって、通常の会話に入れてもいい。

しかし、仮にどんなレベルを想定しても、TOEIC 730点で完璧に聞き取ることが出来るとは思えないのだ。
相手がネイティブ同士で話すのと同じように話したら、簡単なものでもさっぱり分からないと思う。

多分このレベルだと、映画を見ても筋を追うのが難しいはずだ。
何らかの予備知識があって、やっと多少は何とかなる程度だろう。

せいぜい、「(相手を外国人だと認識し、難しい語彙を避け、標準的な発音で、ゆっくり話した場合)通常会話は完全に理解できる」くらいの水準ではないかと思う。

新聞社の怠慢だと思う

ところで、730点で「通常の会話」を云々と言うのは、TOEIC の示している基準なのだろうか?

仮にTOEIC の公式見解としても、「通常会話は完全に理解できる」なんて新聞社が無批判に書いてしまうのはちょっと問題ではないか?
それなりの見識がある人なら、730点で完璧な通常会話は望むべくも無いことは分かるはずだ。
記者の怠慢としか思えない。


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