日本人は発音が下手だから、ネイティブには伝わらないと言うような事を言う人がいます。
カタカナ読みのように発音するので、ネイティブには何を話しているかわからないというのです。
一見もっともらしく聞こえるのですが、個人的にはちょっと疑わしいと思う節もあります。
正直、ちょっとぐらい発音を間違えても、文脈などで伝わると思うんですよね。
そこで、実験をしてみることにしました。
文章読上げソフトで実験
まず、日本語の文章を全てひらがなで用意します。
そして、それを文章読上げソフトを使って読上げさせます。
文章の読上げは、VoiceText というソフトのデモ版が使えるので、それを利用しました。
http://voicetext.jp/
IE でしか動かないのが面倒ですけどね。
次に、一部の文字を比較的発音が近い違う文字に入れ替えます。
例えば、NとMは比較的発音が近いので、「ま」行の文字を「な」行の文字に入れ替えたりするのです。
それを聞いて話が通じるなら、多少の発音の間違いはあっても、理解する上で大きな障害にならないと言うことになります。
オリジナルの文章
オリジナルの文章は次のものを使います。
わたしは きのう あねと がっこうに いきました。
そこでは いぼいのししが けんかをしていました。
そのはくりょくに わたしも あねも おどろきました。
たくさんの けんぶつきゃくが いました。
やがて しのしょくいんがきて いのししをたいじしました。
この文章で、次のような入れ替えをします。
まず、母音の入れ替えでは「た→ち」「た→て」の2つの入れ替えをそれぞれ試しました。
日本語の母音の中では、「あ」と「い」あるいは「あ」と「え」は比較的近い気がしたのが選択の理由です。
子音の入れ替えは、「た→ま」「の→も」「き→ち」の3つを試しました。
子音に関してはも何となく近そうなところで入れ替えてみました。
これらを入れ替えた文は、ページの一番下をご覧下さい。
実験結果
実際に試していただくと結果はすぐにわかると思います。
いづれのケースでも少しぐらい音が間違っていても聞き取る上で問題はありません。
ただし、文字を置き換えた単語が違う意味を持つ場合は、誤解するケースもあるようです。
ただ、多少の発音の間違いは、それほど気にしすぎる必要も無いと思います。
なぜ発音を間違っても理解できるのか
ここで気になるのが、なぜ音を入れ替えても意味を理解できるかと言う点でしょう。
個人的には、文脈で補えるのが大きいのだと思います。
多少単語を間違っていても、文脈さえつかめていれば聞き手が補うことは十分可能です。
もう一つ大事なのが、日本語のプロソディーで話されているからではないかと思います。
プロソディーと言うのは、音程の上げ下げとか、リズムとか、音の強弱の事を指します。
各言語はそれぞれプロソディーを持っています。
実はこれが大事なのではないかと思います。
つまり、日本語っぽいプロソディーで話されていれば、多少の発音の間違いは聞き手が修正してくれる可能性が高いのです。
今回聞き取れたのも、機会音声が日本語のプロソディーに近かったからだと思われます。
逆に、プロソディーが正しくないと、発音が正しくても聞き取れない可能性があります。
個人的な話ですが、最近近所の飲食店では中国人の店員が増えています。
彼らはの日本語は、さっぱりわからないこともあります。
彼らはマニュアル通りの話し方をしているはずなので、わたしが聞き取れないのは中国語のプロソディーで話されるからではないかと思っています。
発音を気にしすぎるよりも、プロソディーを近づける方が通じやすい英語になると言うことだと思います。
まとめ
ということで、整理します。
まず、発音については完璧である必要は内容に思います。
多少間違っても、聞き手の方が補ってくれます。
もちろん、全くなってない人は論外だと思いますけどね。
それ以上に大事なのは、プロソディーです。
音の強弱、アクセント、音の上げ下げ、リズムなどをネイティブに近づけるようにしましょう。
文章一覧
実際に試してみたい方は、下記の文をご利用ください。
何れのケースでも、問題なく理解できると思います。
●た→ち
わちしは きのう あねと がっこうに いきましち。
そこでは いぼいのししが けんかをしていましち。
そのはくりょくに わちしも あねも おどろきましち。
ちくさんの けんぶつきゃくが いましち。
やがて しのしょくいんがきて いのししをちいじしましち。
●た→て
わてしは きのう あねと がっこうに いきまして。
そこでは いぼいのししが けんかをしていまして。
そのはくりょくに わてしも あねも おどろきまして。
てくさんの けんぶつきゃくが いまして。
やがて しのしょくいんがきて いのししをていじしまして。
●た→ま
わましは きのう あねと がっこうに いきましま。
そこでは いぼいのししが けんかをしていましま。
そのはくりょくに わましも あねも おどろきましま。
まくさんの けんぶつきゃくが いましま。
やがて しのしょくいんがきて いのししをまいじしましま。
●の→も
わたしは きもう あねと がっこうに いきました。
そこでは いぼいもししが けんかをしていました。
そもはくりょくに わたしも あねも おどろきました。
たくさんも けんぶつきゃくが いました。
やがて しもしょくいんがきて いもししをたいじしました。
●き→ち
わたしは ちのう あねと がっこうに いちました。
そこでは いぼいのししが けんかをしていました。
そのはくりょくに わたしも あねも おどろちました。
たくさんの けんぶつちゃくが いました。
やがて しのしょくいんがちて いのししをたいじしました。
タグ: スピーキング, プロソディー, 発音, 発音を間違えると通じないのか?
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