小学校から英語を教える問題点と、著者の考える英語の公教育のありかたを記した一冊。
ちなみに、著者は著名な通訳者である。
個人的には語学の早期教育は否定的なので、共感できる部分も多かった。
amazon.co.jp での評価も高いようだ。
小学校英語教育のここがまずい
反対しているポイントは次のような点だ。
・小学校からはじめるメリットはほとんど無い
・週一コマというのでは、ほとんど意味がない
・環境を整備しないで下手にはじめると、英語嫌いを増やす恐れがある
・小学校で英語を教えられる人材がいない
どれも共感できる説明が付いていた。
でも、反対としてはちょっと弱いかな。
本全体を通して、「メリットはほとんど無いよ」といっている感じなのである。
反対派なら、もっと説得力があるデメリットを示して欲しかったなあ。
改革案に疑問も
本の終わりの方に、英語教育の改革案が紹介されていた。
英語の好きな人にとっては、実用的な効果がある案だと思う。
でも、英語が苦手な人には、どうなんだろう?
落ちこぼれを減らす方法には言及されていない。
苦手な人を英語好きにする方法も、同時に考えないといけないと思うんだけどね。
日本人は学習時間が足りていない
英語の学習時間が決定的に足りていないという主張には同感する。
文法や読解中心の学習が間違っているので英語が出来ないと考えている人は意外と多いようだ。
しかし、それは正しくないというのが著者の主張である。
なぜなら、東アジア諸国との比較においても、文法や読解のスコアが良いわけではないからだ。
時間を掛けているはずの、文法や読解も出来ないのである。
根本的な問題は、学習時間の不足である。
英語の学習時間が少なすぎるから、何も出来ないわけだ。
日本人の英語力を上げるためには、そもそも学習時間自体を増やす必要がありそうである。
◆危うし!小学校英語 (文春新書)
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